デスクワーク中のストレッチメニュー。座ったままできる柔軟体操とは?

織田琢也 2022.05.21
長時間のデスクワークを続けると、首や肩こりの悪化、下半身太り、ぽっこりお腹などにつながります。定期的に身体のメンテナンスをするのが理想ですが、忙しい方はストレッチする時間も取れないはずです。そこで今回は、デスクワーク中でも行える効果てきめんのストレッチを紹介します。

長時間のデスクワークで起こる不調|座りっぱなしだと何がダメ?

長時間のデスクワークで起きるデメリット

あらゆる研究で、1日7時間以上座ると健康リスクが高くなると判明しています。特に姿勢の悪化・腰痛・血行不良・肩こりは顕著な例でしょう

ここからは、そんな長時間のデスクワークがもたらす6つの不調について解説します。


1. 骨盤が歪みやすくなり、姿勢が悪くなる

姿勢が悪くなる

長時間のデスクワークをしていると、楽な姿勢を取ろうとして、頭が下がりだんだんと前屈みの姿勢になってしまいます。前屈みの姿勢が長く続いてしまうと、肩が内側に入ってきて骨盤が歪み猫背の原因に

猫背などの悪い姿勢では筋力も使わないため、さらに姿勢を悪くすることになってしまいます。


2. 腰に負担がかかり、腰痛になる

長時間のデクスワークは気づかないうちに疲労をためてしまいがち。

筋肉は動かしているときよりも、長時間同じ姿勢を続けた方が負担がかかることがわかっています。立っているときよりも座っているときの方が腰へかかる負荷が大きくなり、疲労を蓄積しやすいです。

疲労が蓄積して筋肉が硬くなることで、血行が悪くなる原因になります。

血行不良となると、老廃物が溜まりやすくなり回復も遅れて疲労が溜まってしまうため腰痛になってしまうので気をつけましょう。


3. 血行が悪くなって、むくみや冷え性になる

むくみや冷え性につながる

長時間のデスクワークでは下半身の筋肉をあまり使わなくなってしまいます。

特にふくらはぎは血液を体内に循環させるポンプのような役割をしているので、座りっぱなしでふくらはぎが収縮しないと血液がうまく流れません。血行不良となると、身体に老廃物や水分が溜まってしまいむくみや冷え性につながります

夕方になると脚がぱんぱんになっているのは下半身を動かせていないことが原因です。


4. 首こりや肩こりの原因になる

長時間のデスクワークを続けると前屈みの姿勢となり、肩を内側に巻き込む巻き肩になります。巻き肩は肩と首の筋肉に負担をかける姿勢なので、続けていると首こりや肩こりを引き起こす原因に

また、長く座っていることで、血行不良となり老廃物がうまく排出されません。老廃物が溜まると疲労物質も蓄積しやすくなるので、首こりや肩こりをより悪化させるので気をつけましょう。


5. おしりがたるみヒップラインが崩れる

デスクワークで座りっぱなしのデメリット|お尻が崩れる

座っているときは、おしりの筋肉が使われていません。つまりデスクワーク中は、数時間もお尻の筋肉がゆるんでいる状態にあります。

おしりの筋肉が衰えるので、ヒップラインの崩れやボリュームダウンなどにつながる原因に。また、背もたれに寄っ掛かり楽な姿勢を取ると、おしりを支える太ももの筋肉も使われなくなることもおしりが垂れることになります

長時間のデスクワークは綺麗なヒップラインとはほど遠くなってしまうので気をつけていくことが大切です。


6. 筋力が低下してぽっこりお腹になる

太っていないのにお腹がぽっこりしている原因は、デスクワークによる筋力低下が挙げられます。

長時間座っていると、無意識のうちに楽な姿勢をとりがちです。楽な姿勢は筋力を使わずに座れてしまうので、長く続けているとお腹の筋肉が弱くなってしまいます。お腹周りの筋肉が弱まると、筋肉に支えられてた内臓が下がり、ぽっこりお腹の原因となる内臓下垂に

それだけではなく、筋力が落ちることによって、比例して自然とカロリーを消費してくれる基礎代謝も下がるので痩せにくくなります。

デスクワークが多くぽっこりお腹が気になる方は、腹筋の筋肉を鍛えることが大切です。


デスクワーク中におすすめのストレッチメニュー|仕事中もOKな柔軟体操とは?

デスクワークによる不調を回避するには、定期的にストレッチをするのがおすすめです。

そこでここからは、デスクワークの人こそ行うべきストレッチを紹介します。仕事中でも行えるので、ぜひ実践して体を整えてください。


1. 首こり・肩こり解消ストレッチ

首こり・肩こり解消ストレッチ

首こりと肩こりを解消したいのなら、肩甲骨を寄せてから緩めるストレッチがおすすめです

首回しもある程度効果はありますが、こりの原因となる一部の筋肉しか動きません。一方、肩甲骨周辺にはこりの原因となる筋肉がくっついている。肩甲骨を動かすことによって、マッサージでは届かない深い位置にある筋肉も刺激できます。

簡単に行えるのに効果てきめんなので、休憩のたびに肩甲骨を動かすストレッチを行うのがおすすめです。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして座るもしくは立つ
  2. 両手を軽く握り、ひじを肩より高く上げる
  3. 3秒ほどかけて、ひじで円を描くようにゆっくりと大きくひじを後ろに回す
  4. そのとき息を吐きながら、肩甲骨をぎゅっと寄せることを意識する
  5. 後ろに回しきったらリラックス状態にする
  6. この動作を数回繰り返す

肩甲骨回しのストレッチは、5回×5セットです。肩甲骨がほぐれていることを確認しながらゆっくりと行いましょう。

【参考記事】肩甲骨回りをほぐす効果的なストレッチメニュー


2. 首を動かすだけのストレッチ

首を動かすだけのストレッチ

長時間見下ろすようにスマホやパソコンを使うと、首にある緩やかなカーブが失われてしまいます。

ストレートネックは首の筋肉が緊張している状態なので、そのままにしていると筋肉が凝り固まる原因に。その結果、肩こりや首こり、頭痛などの原因になるのです。

首の緩やかなカーブを回復させるには、首をあらゆる方向に動かすストレッチがおすすめ。首のストレッチを行うことで、首のこりがほぐれるほか、首の動きも良くなりますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を正して顔を真正面に向けます
  2. ゆっくりと首を上下に3~5回ほど動かします
  3. 再び真正面を向き、ゆっくりと首を左右に向けます
  4. 無理やり可動域を伸ばそうとせず、気持ちよさを感じる範囲で3~5回行いましょう
  5. 正面を向き、ゆっくりと首を回します
  6. 時計回りに3回、反時計回りに3回行いましょう

首のストレッチの目安は、各方向へ動かすのを3回×3セット。デスクワークを続けていると頭が下がってしまうので、気づいたときにストレッチをしましょう。

【参考記事】首回りをほぐす効果的なストレッチメニュー


3. ツイストストレッチ

ツイストストレッチ

椅子に座ったまた、上体を左右にひねるストレッチ

デスクワーク中は前屈みになりやすく猫背の原因に。猫背の座り姿勢が長時間続けば、首が前に出たり、背中の筋肉が硬くなったりします。このストレッチでは背中の上部と腹斜筋をほぐすので、肩こりやスマホネック解消、姿勢改善に効果です

お腹をへこませて行うと、深くねじれるようになり大きな効果に期待できます。ストレッチのあとは肩が軽くなるので、自宅と職場で行うのを習慣化しましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 椅子に座ったまま顔を正面に向け、両手を頭のうえで組む
  2. 息を吐きながら、上体のみをゆっくりと右に向ける
  3. 右の肩甲骨を中央に寄せるのを意識しながら、3秒キープ
  4. 息を吸いながら、上体を正面に向ける
  5. 息を吐きながら、上体をゆっくりと左に向ける
  6. これを5往復ほど行う

ツイストストレッチの目安は、5往復×1セット以上です。背中の筋肉は大きく姿勢を保つのに重要なのでしっかりと行いましょう。

【参考記事】お腹回りをほぐす効果的なストレッチメニュー


4. おしりをほぐすストレッチ

お尻をほぐすストレッチ

椅子に座ったまま、こっそりと行えるストレッチ。

左右のお尻を交互に上げ下げすることで、脚の付け根とお尻の筋肉の刺激が可能です。 長時間のデスクワークで滞った、下半身の血流が改善されます。血行促進され老廃物が排出されるので脚のむくみや下半身太りの予防に効果的。

また、下半身の筋肉がほぐれると全身の血行促進もでき、全身に酸素を送られるので頭も目覚めさせられますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 両手で椅子の側面を持つ
  3. つま先は床に着け上半身を真っすぐにしたまま、右のお尻を持ち上げて3秒キープ
  4. 左のお尻を持ち上げて3秒キープ
  5. キープしているときは、お尻の穴を締めるように意識する
  6. 左右で行うのを1セットとし、5セットほど繰り返す

おしりをほぐすストレッチの目安は、左右5回×1セット以上です。手軽に行えるので、仕事に疲れたら積極的に行いましょう。

【参考記事】お尻をほぐす効果的なストレッチメニュー


5. かかとの上げ下げストレッチ

踵の上げ下げストレッチ

かかとを支点に足首を曲げ伸ばしするストレッチ。

足首を伸縮することで、ふくらはぎの筋肉に刺激を与えられます。ふくらはぎは血液の循環作用があるポンプのような役割があるので、ほぐすと血行促進に効果的。したがってストレッチを行うこと老廃物が排出できで、むくみや冷え、下半身太りの予防改善に期待できます

簡単なストレッチなのに、大きな効果を発揮するのが魅力です。デスクワーク中でも行えるので、1時間に1回は行うようにしましょう。


トレーニングの正しいやり方

1.ひざ下を垂直に立てて、椅子に座る 2. 足裏を床に着けて、つま先だけ上げる 3.このとき、ひらめ筋をぐっと縮める 4. 足を元の位置に戻して、かかとだけ上げる 5. このとき、ひらめ筋をしっかりと伸ばす 6. 一連の動作を3秒ほどかけてリズムよく行う 7. 10回繰り返して1セット終了

かかとの上げ下げストレッチの目安は、10回×3セット以上です。デスクワーク中は1時間に1セットするのがおすすめ。

【参考記事】足首周りをほぐす効果的なストレッチメニューはこちら


6. 肩の上げ下げストレッチ

肩の上げ下げストレッチ


座ったまま肩の上げ下げをするだけで、上半身の疲れをリセットできるストレッチメニュー

長時間のデスクワークで、姿勢が悪くなると首や肩の筋肉に負担がかかり硬くなってしまいます。この状態が続くと肩こりや首こりの原因に。

このストレッチでは、首から肩にかけてある「僧帽筋」という大きな筋肉が刺激できます。僧帽筋をストレッチすることで、血行が促進されるので筋肉がほぐれてこりの改善に効果的ですよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 息を吐きながら、肩をすくめるようにゆっくりとあげる
  3. 上げきったところで1~2秒キープ
  4. 息を吸いながら肩をゆっくりと下げる
  5. 上げ下げするときは、肩の筋肉を動かすことを意識
  6. これを数回繰り返す
  7. 今度は同じ手順で肩を下から上に上げる

肩の上げ下げストレッチは、5~10回×1セット以上です。セット数にはこだわらず、こまめに行うといいでしょう。

【参考記事】肩周りをほぐす効果的なストレッチメニューはこちら


7. 脇腹に効くストレッチ

脇腹に効くストレッチ


両手を上げたまま、上半身をじっくり傾けるだけのストレッチです。

脇腹を伸ばしながら、お腹周りの筋肉を伸ばせるため、ぽっこりお腹の解消にも効果的。また、そこにつながっている腰回りの筋肉も刺激できるため腰痛改善をしたい方にもおすすめ。

脇腹は日常生活ではなかなか使わない筋肉なので、しっかり伸ばしていきましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 左手を真上に上げ、肘を軽く曲げる
  3. 右手で曲げた肘を掴む
  4. 息を吐きながら、ゆっくりと身体を右に傾ける 5.そのままの姿勢で10秒キープ
  5. 息を吸いながら、元の姿勢に戻る
  6. 左手で右の肘を掴み、ゆっくりと身体を左に傾ける
  7. 上半身を傾けたら、脇腹の伸びをしっかりと意識する

脇腹のストレッチの目安は、左右10秒×1セット以上です。リフレッシュのためにも、集中力が切れるたびに行うのがおすすめ。

【参考記事】腹斜筋の効果的なストレッチ種目を解説


8. 肩甲骨をほぐすストレッチ

肩甲骨をほぐすストレッチ


体の前で両手を組み、できたわっかの中に頭を入れる肩甲骨はがしのストレッチです。

腕を肩よりも高く上げる必要ないので、痛みで腕を上げられない人にこそおすすめ。このストレッチでは、肩甲骨を動かす筋肉に刺激を与えます肩甲骨の動きが良くなり、肩こりや首こりの解消のほか、姿勢改善にもつながるのです

デスクワークの合間に行って、肩こり解消しましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 体の正面で両手を組む
  3. 両手を組んだまま、手を前のほうに伸ばす
  4. わっかの中に頭を入れながら、ゆっくりと身体を丸める
  5. このとき腕の高さは変えず、肩甲骨を後ろに引きはがすイメージをする
  6. 身体を丸めたら、呼吸を止めずに10秒キープ
  7. 元の姿勢に戻る

肩甲骨をほぐすストレッチの目安は、10秒×1セット以上となります。2~3時間おきに行うのがおすすめです。

【参考記事】座ってできるストレッチメニューはこちら▽


9. 胸の筋肉を伸ばすストレッチ

胸の筋肉を伸ばすストレッチ


腕を回すだけで肩こりや首こりの解消ができるストレッチです。

長時間のデスクワークで姿勢が悪くなると、前屈みとなり胸が縮こまってしまいます。胸の筋肉は肩の筋肉を密接な関係があり、胸の筋肉が硬くなると肩にも影響を与え、こりの原因に

腕を回すさいに鎖骨を抑えがら回すと胸の伸びを意識できるので、より効果的に行うことができますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 右手で左前側の鎖骨をおさえる
  3. 時計の針で2時くらいの高さまで腕を伸ばす
  4. そのまま大きな円を描くようにゆっくりと手を回す
  5. このとき胸の筋肉を意識し、深呼吸もしっかりと行う
  6. 痛みがある場合は、肘を少し曲げても大丈夫です
  7. 前に5回回したら、後ろに5回回す

胸の筋肉を伸ばすストレッチは、前5回+後ろ5回×1セット以上です。朝と晩、仕事中に1セット以上行うといいでしょう。


デスクワーク中こそ、正しいストレッチで体を健康に。

長時間のデスクワークは、肩こりやむくみ、ぽっこりお腹など様々な不調をもたらします。何も対策を行わなければ、不調は悪化するばかりです。

「ストレッチは続けられるかな?」と悩むかもしれませんが、初めは少しずつでかまいません。デスクワークの休憩がてら、ストレッチを行いましょう。

毎日5分のストレッチでも継続することで、体の不調を解消してくれますよ。

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