カーボアップとは?正しいやり方やカーボローディング中に食べるものを解説!

織田琢也 2024.05.08
カーボアップのメリットややり方を知りたい人へ。本記事では、カーボアップとはどのようなものなのか?の説明から、カーボローディングのメリットや正しいやり方まで大公開!おすすめの食材も紹介していますので、気になった方はぜひ活用してみてください!

カーボアップ(グリコーゲンローディング)とは?

カーボアップ(グリコーゲンローディング)とは?

カーボアップとは、できる限り多くの糖質を体内に蓄えておくこと。運動中におけるエネルギーの枯渇によるパフォーマンスの低下を防ぐために用いられる手法です。

食事により取り込まれた糖質はエネルギーとして使用され、余剰分は筋肉に蓄えられる糖の一種であるグリコーゲンとしてストックされます。そして運動により血中グルコース(ブドウ糖)が消費されて不足すると、筋肉に貯蔵されていたグリコーゲンが血液中に放出されてエネルギー源となる仕組みです。

つまり、溜め込まれているグリコーゲンが多いほどエネルギー源が多くなるため、運動パフォーマンスが高まるというわけです。


カーボアップのメリット|カーボローディングの効果とは?

カーボアップのメリット|カーボローディングの効果とは?

何となくカーボアップが良いということは知っていても、糖質を体内に蓄えることで具体的にどのような効果があるのか分からないという方もいらっしゃることでしょう。

そこでここからは、カーボローディングのメリット・効果について解説していきます。


カーボアップのメリット1. 体内のグリコーゲン量が増え、持久力が高まる

体内のグリコーゲン量が増え、持久力が高まる

運動に必要となるエネルギーは、その多くが食事により取り込まれた糖質と体内に貯蔵されているグリコーゲンが材料です。

カーボアップは摂取する炭水化物(カーボハイドレイト)の量を運動量とともに調整することで、その中に含まれる糖質をより筋肉や肝臓に蓄えやすくします。

その効果によって体内のグリコーゲン量は通常の2倍以上にもなり、必然的に持久力が高まって長時間にわたる競技の間もスタミナ切れを起こさず、高い状態でのパフォーマンスが可能となるのです。


カーボアップのメリット2. 筋肉を一時的に大きくできる

細胞内に糖質が吸収される際、グリコーゲンは1:3の割合で水と結合します

つまり、筋肉にグリコーゲン100gが取り込まれる時は水と合わせて400gとなるため、その分体積が増して大きくなることに。ただ、通常、摂取された糖質は運動エネルギーとして消費され、余った分も筋肉だけではなく肝臓にも分散されて蓄えられます。

そこで、筋トレの量の調整とともにカーボアップを用いれば余剰分の糖質は多くなり、それだけ筋肉に吸収されるグリコーゲン量も多くなるため、一時的に筋肉を大きくできるというわけです。


カーボローディングのやり方|注意点も合わせて解説!

カーボローディングのやり方|注意点も合わせて解説!

パフォーマンス向上に効果的とされるカーボローディングですが、なかにはそのやり方がよく分からないという方もいらっしゃることでしょう。

そこでここからは、具体的なカーボアップの方法について、トレーニング・食事の両面から詳しくご紹介します。


カーボアップの方法1. 試合の1週間前からトレーニング量を徐々に減少させる

カーボアップの方法1. 試合の1週間前からトレーニング量を徐々に減少させる

トレーニングを続けている体は疲労が蓄積したグリコーゲン量も少ない状態になっているため、そのまま試合に臨むとパフォーマンスが悪く、持久力がいる競技の場合はスタミナ切れの原因ともなります。

その問題を解決するため、1週間前からは徐々にトレーニングの量を減らしてください。また、強度に関しても中程度から軽度に落とし、特に筋トレは3日前以降は軽く動かす程度か完全休養とします。

それと同時にカーボアップで体内のグリコーゲン量を増やし、エネルギーの充満した体で試合当日を迎えられるようにしましょう。


カーボアップの方法2. 試合の1週間前~4日前は糖質50%程度の比率にした食事をする

以前はこの期間に体内のグリコーゲンを一度枯渇させてその反動を利用する方法が取られていましたが、このやり方には体調不良を起こす、疲労が残るなどの問題点もありました。

そこで現在は、試合の1週間前~4日前の間も無理な糖質制限を課さず、通常の食事と同等の糖質50%程度を取る方法が主流となっています

食事をする際は、糖質の量を意識するだけでなく、5大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂るよう心掛けましょう。バランスの良い食事をすることでカロリー不足や栄養バランスの乱れで体調を崩すことを避けることができますよ。


カーボアップの方法3. 試合3日前〜当日は糖質70〜80%程度の比率にした食事をする

試合3日前〜当日は糖質70〜80%程度の比率にした食事をする

試合3日前から低糖質食から高糖質食に切り替え、糖質70~80%ぐらいを目安にしましょう。

ここで気を付けていただきたいことは、体重を増やさないためと糖質の消化吸収を阻害しないために糖質を増やした分、脂質・タンパク質の量を減らすこと。また、慣れない食べ物も体調を崩さないようにするため、避けてください。


カーボアップの方法4. 試合の1時間前にはすぐに消化しやすいバナナやエネルギーゼリーを摂取する

試合直前にご飯やパンなどを食べるのは、あまりおすすめできません。このタイミングでは消化が間に合わず、胃の中に食べ物が残るとパフォーマンスが低下するからです。

当日は、最低でも試合3時間前までに本格的な食事を終え、試合1時間前には消化吸収の早いバナナやエネルギーゼリーでエネルギー補給をしてください。体にグリコーゲンを蓄えておき、試合後半でのパフォーマンスの低下を防ぐためです。

ただし、これらの食品でも食べすぎると体が重くなる可能性はありますので、適量を心掛けるようにしましょう。


カーボローディングにおすすめの食材は?

カーボローディングにおすすめの食材は?

試合3日前からのローディング期におすすめの食材をご紹介します。どれか1つだけで糖質70~80%にするのは大変ですので、1日のうちでそれぞれをうまく振り分けて摂取しましょう。

  • 白米
    言わずと知れた日本古来よりの主食。腹持ちも良いため、試合当日の朝食などにも最適です。

  • 麺類
    うどん・そば・パスタ・ラーメンなど。ただし、パスタのオリーブオイルや生クリーム、また、ラーメンの背油などの脂質には気を付けてください。

  • パン
    食パンやアンパンがおすすめ。クロワッサン・クリームパン・チョコパンなどの脂質の多いものは避けましょう。

  • イモ類
    サツマイモ・ジャガイモ・サトイモなど。ただ、繊維質の多い食べ物ですので、試合当日は避けたほうが良いかもしれません。

  • フルーツ
    果物はビタミンも豊富で、フルクトース(果糖)もちゃんと筋肉・肝臓に取り込まれます。量をあまり食べられない方が主食で足らない分を補うのに最適です。

  • 和菓子
    まんじゅうやカステラは洋菓子やスナック菓子より脂質が少なく糖質の量は多いため、間食に良い食材と言えます。

  • エネルギーゼリー
    試合直前やお腹がいっぱいの時の補充にはやはりこれですね。

ご飯と麺のセットメニューにしたり、あんこをパンで挟んだりするなど、組み合わせるとよりスムーズなローディングが可能となりますので試してみてください。


正しいカーボアップのやり方を身につけてパフォーマンスを向上させよう。

カーボアップは持久力が必要な競技者やボディビルダーに良いだけではなく、筋トレなどによってダイエットを試みる方の停滞期打破にも有効な優れた手法。

ただ、やり方を間違うと、逆にパフォーマンスの低下を招く恐れもあるので注意は必要です。

どのような目的の場合でも正しい方法を守り、ストレスを感じないよう食事の組み合わせを工夫して、楽しく行っていただきたいと思います。


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