仕事を辞める事前準備とは。退職までの具体的な流れを徹底解説!

長谷川大輔 2018.02.20
いざ仕事を辞めようと思っても、何から準備していいのかわからない人も多いのではないでしょうか。ここでは、仕事を辞める前にやっておくべきこと、また退職までの流れについてご紹介します。ぜひ参考にして、退職に向けてしっかりと準備しましょう。

仕事を辞めると決めた後、取るべき行動をお教えします。

仕事を辞めるときにとるべき行動

「本当にこの会社のままでいいのか」「今よりもっといい会社があるはず」そう思って仕事を辞めようと考えている人もいるかもしれません。ですが、実際に仕事を辞める場合、しなければならないことはたくさんあります。事前準備をしないで辞めてしまった場合、辞めたことに後悔してしまうこともあるかもしれません。そうならないためにも、仕事を辞める際のすべき行動をしっかりと確認しておきましょう。


辞めると決める前に、もう一度考えましょう

ここでは、仕事を辞める前に考えておくべきことをご紹介。「仕事を辞めたい」と思っていても、それは一時的な感情の可能性もゼロではありません。1度冷静になって考えると、考えが覆ることも。それだけでなく、退職した場合は転職活動のことも頭に入れておかなければなりません。何も考えず「辞めたい」という衝動だけで退職した場合、転職活動に苦労してしまうことも少なくないでしょう。そうならないためにも、辞めるときは本当にそれで良いのか今一度考え直すことをおすすめします。


一時的な感情に任せて行動していないか冷静になる

仕事を辞めたいと思っていても、一時的な感情が先走っている可能性もあります。まずは、本当に仕事を辞めたいのか冷静になって考えてみましょう。友人の仕事における待遇が非常に良さそうな様子を聞いて、貴方の会社を悪く感じていることもあるかもしれません。ですが現実では、どの会社も良いところや悪いところはつきもの。他の友人からみると、貴方の勤めている会社を羨ましく思っている可能性もあります。そのほかにも、ただストレスや疲れが溜まっていることも。そうしたときは、余計なことをどうしても考えてしまいがち。繁忙期における連日の残業続き、もしくは仕事で失敗してしまったときなど、そうしたことの積み重ねがストレスを生み出していることも多いです。


辞めたい理由は解決できるものか考えてみる

辞めたい理由は人それぞれ異なるでしょう。仕事を辞めたいと感じたとき、辞めようと思っている理由が解決できるものかどうか考え直してみるのもおすすめ。友人の仕事における良い話を聞いたときでも、自分にも同じように待遇されるとは限りません。ほかの会社を羨ましく思うだけで退職を決めた場合、後々後悔してしまう可能性も。また、ストレスが原因になっている場合は、ストレスの解消法を考えてみましょう。運動をしたり旅行に行ったりすることで気分転換になることも。ストレスが軽減されて体調がよくなれば、仕事を辞めようといった感情もなくなるかもしれません。理由を考え直しても自分では解決できないという結論が出たとき、はじめて辞めるという決断を考えてみても良いでしょう。


辞めたあとの生活が想像できるか、お金の備えはあるか。

仕事を辞めようと思っている場合、辞めたあとの生活についてしっかりと考えなければなりません。転職活動をするにしても、それなりの費用が発生してきます。後先考えずに辞めた場合、お金がなくなり転職活動で生活が苦しくなってしまうこともあるかもしれません。それだけでなく、普段からの生活費もかかります。あまり貯金がない状態で仕事を辞めてしまうと、生活費さえ賄えなくなることも。転職活動をしていればすぐに再就職できるわけではありません。次の仕事が決まるまで、数ヶ月かかってしまう人も多いです。途中でお金が尽きてしまえば、アルバイトなどで生活費を稼がないといけなくなることも。仕事を辞めようと思った場合は、数ヶ月何もしなくても生きていけるほどのお金を備えておく必要があります。


辞めると決めてから退職までにすべきこと・心がけること

上記のように、再度仕事を辞めるかどうか考え直しても「辞めよう」と決意する人は多いはず。ここでは、辞めると決めてから退職までにすべきこと、または心がけておいてほしいことをご紹介。「会社を辞めるから仕事は適当でいいや」と思っている人もいるかもしれませんが、その場合、後任の人や上司に多大な迷惑をかけることに繋がります。そうなってしまうと、お互いに辞めるときもあまり良い気持ちがしないもの。できるだけ円満に退職するために、会社に最大限配慮することが重要です。


転職活動をする

いざ辞めようと思ったとき、転職活動のことも同時に視野に入れておくことをおすすめします。辞めようと思っている人の中には、退職後に転職活動をしようと考えている人もいるかもしれません。ですが退職後に転職活動を始めた場合、場合によっては期間が長引いてしまう可能性も。そうなると、退職後の生活費も多めに考えておく必要があるでしょう。それだけでなく、なかなか決まらない焦りから希望する条件に妥協が生まれてしまうかもしれません。可能であれば、在職中に転職活動を始めておきましょう。


転職活動をしておくメリット

できるだけ早めに転職活動を始めれば、より早い再就職にもつながります。そうなると離職期間も短くて済み、収入が途切れずお金に困ることも少なくなるでしょう。それだけでなく、希望する会社に対しての妥協がなくなるのも大きなメリット。退職前なので比較的・精神的にも余裕ができ、焦らず前向きに転職活動に励めますよ。さらに退職前に転職先を決めた場合、会社からの慰留もはねのけやすくなります。退職前は、どうしても上司などから退職を引き止められがち。ですが、転職先を退職前に決めておけば、会社側も納得せざるを得なくなるでしょう。


仕事を辞める理由を考える

仕事を辞める際は、なぜ仕事を辞めるのか上司に話さなければなりません。そうしたときに備えて、退職理由もしっかりと考えておく必要があります。いざ上司に退職理由を聞かれても、しどろもどろになってしまうと説得力がありませんよね。さらに、そのままのあやふやな状態で転職活動をした場合、うまくいかない可能性も。辞める際は、どうして辞めたいのかを今一度考え直してみてください。皆が納得できるような退職理由ができれば、上司も仕事を辞めることを許してくれやすくなります。


ポイント:個人的で前向きな理由にすること

退職理由を話すときに重要になるのが、ポジティブな退職理由にすること。「仕事がめんどくさい」「残業が嫌だ」「お給料が低い」といったネガティブな理由だと、上司が納得してくれないことも多く、辞めるときも不仲になりやすいです。「次の職場でやってみたいことがある」「自分の可能性にもっと挑戦したい」といった、正当性かつ前向きな退職理由にすることで、上司も納得して円満に退職できるでしょう。またそのときに重要になるのが、これまでお世話になったという感謝の気持ち。退職後のつながりも大事にしていきたいという気持ちをしっかり持つことも、退職時には重要です。


退職の意志は1〜2ヶ月前には伝える

退職の意志を上司に伝える場合、できるだけ早く伝えることをおすすめします。あまりにもギリギリになって「会社を辞めたいです」といわれても、会社側としても引き継ぎや後任の補充など、しなければならないことがたくさん。そうすると、退職自体も円満に進みにくくなります。退職する意志がある場合、会社によっては就業規則で退職に関して決められているところもありますが、遅くとも退職の1〜2ヶ月前までには伝えましょう。もし在職中に転職先が決まった場合、決まった時点で伝えることをおすすめします。


ポイント:最初に直属の上司に伝えること

退職の意志を伝える場合、まずは直属の上司に伝えることが重要です。いきなり部長や役員といった上司の上司に報告した場合、直属上司の管理能力が問われてしまう可能性も。それだけでなく、直属の上司にとって気分が良いものではないでしょう。また、辞める意志を伝えたときは、引き止めに合うこともあるかもしれません。しっかりとした意志を持って、はっきりと辞める意志を伝えましょう。ちなみに、退職の直接的な理由が直属の上司である場合、最悪話を聞いてくれない可能性もあるかもしれません。そうしたときは、思い切って上司の上司に直接相談してみるのもひとつの方法でしょう。


引き継ぎのための準備をしっかりとする

上司に伝えて退職することが決まれば、次に考えなければならないのが引き継ぎ。引き継ぎがあまりにも曖昧だと、後任の人はもちろん、会社にも大きな迷惑がかかってしまうことも。辞めたあとのこともしっかり考えて、引き継ぎのための準備をしておきましょう。余裕があれば、引き継ぎノートを作っておくのがおすすめ。引き継ぎノートにあらかじめ仕事内容をまとめておくと、後任の人もそれを見ながら安心して仕事ができますよ。


ポイント:最後まで仕事はやり遂げる意志をはっきりさせる事が大切

引き継ぎの際に重要になるポイントとして挙げられるのが、最後までしっかりとやり遂げる意志を持つこと。「どうせ仕事を辞めるから引き継ぎも適当でいいや」「引き継ぎしなくても上司や後任の人がなんとかしてくれるだろう」なんて思っていると、そうしたやる気のなさは上司にも後任の人にも伝染してしまいます。引き継ぎがあまりにもひどかった場合、退職するときに円満な関係で終われないことも。引き継ぎも立派な仕事のひとつです。今までお世話になったことへの感謝も込めて、与えられた仕事は最後までしっかりとやり遂げる意志を持ちましょう。


貴方のポジションはすぐに代わりが埋めてくれますよ

「自分が会社を辞めることで同僚に迷惑をかけてしまう」「自分が辞めたあとに仕事は回るのかな」など考えてしまう人もいるでしょう。もしかしたらそうした責任感が引き金になって、退職に躊躇してしまう人もいるかもしれません。ですが、貴方が抜けたポジションはすぐに誰かが埋めてくれますよ。辞めたあとでも、すんなり仕事がまわっていることも少なくはありません。退職するとき、周りのことばかり考えていると退職したくてもできなくなってしまいます。どうしても退職後のことが心配になるのであれば、できるだけ多くの人に広く浅く仕事を負担してもらうよう調整してみるのもおすすめです。


それで回らなかったら必要な措置を取らない会社が悪い、と割り切りましょう

もしいろいろと工夫しても仕事がまわりそうにないとき、思い切って「必要な措置を取らない会社が悪いんだ」と割り切ることも必要です。会社を辞める人が、辞めたあとの仕事の分担について考える必要はありません。辞めたあとの自分の仕事について考えすぎてしまうと、責任感が生じて辞められなくなります。そうなってしまっては本末転倒ですよね。基本的に、辞めたあとの会社の仕事に関してはどうすることもできません。「あとは必要な措置を取らない会社が悪いんだ」とどこかで踏ん切りをつけることも、会社を辞めるには必要なことでしょう。


有給はタイミングをみて消化しておく

有給についてもしっかりと考えておきましょう。基本的に、退職時に有給を消化することは可能です。ですが引き継ぎなどが原因で、なかなか思うように有給が取れないこともあるかもしれません。そこでおすすめなのが、タイミングを見計らってあらかじめ有給を消化しておくこと。小刻みに有給を消化しておけば、退職時には持っている有給をすべて消化できる可能性もあります。そのためにも、退職時は自分がどのくらい有給が残っているのかあらかじめ確認しておくことが重要です。


ポイント:有給を転職活動に当てて効率よく時間を使うのも一つの手

上記のようにタイミングを見計らって有給を消化する場合、その時間を転職活動にあてるのもひとつの方法です。会社を辞めてから本格的に転職活動をしようとしても、減っていく預金残高を見ながら日に日に焦ってしまう可能性も。その場合、「これ以上転職活動するお金がないからこの会社でいいや」と、会社選びに妥協してしまうかもしれません。退職日を迎える前にできるだけ転職活動を進めておけば、辞めてからすぐに次の仕事先が決まる可能性が高くなりますよ。運よく退職前に次の仕事先が決まれば、今いる会社の引き継ぎなどに注力することも可能でしょう。


退職までの具体的な流れ

ここからは、退職までの具体的な流れについてご紹介します。大学生の就職活動であれば、まわりも同じ状況なのでどうすればいいのか迷うことも少なかったでしょう。ですが、退職の方法は誰も教えてはくれません。自分で考えて動かなければならないことも多く、どのような手順で進めればいいのか悩んでしまうこともあるはず。円満に退社できるよう、ここに書かれていることを参考にして、退職までの手順をしっかり確認しておきましょう。


1. 転職活動をする

まず考えなければならないのが「転職活動」です。まずは働きながら、「転職活動にどれくらいの時間を割く必要があるのか」「どういった分野の会社に就職したいのか」「会社選びにこだわるポイント」など、まずは転職活動に必要な情報を整理しましょう。そのうえで、転職エージェントなどをうまく活用しながら転職活動をスタートさせるのがおすすめ。普段の仕事をおろそかにしないよう、綿密なスケジューリングをすることが何よりのポイントです。


辞めてからでは遅い

会社を辞めようと思っている人の中には、「転職活動は仕事を辞めてからでいいや」「退職後にたっぷり時間をとって転職活動を始めたい」と思っている人もいるかもしれません。ですが辞めてから転職活動を始めた場合、あらかじめ蓄えていた貯金が底を尽きてしまうことも。そうなった場合、どうしても焦りが出てしまい転職活動にも悪影響を与えかねません。さらに転職活動が長引けば、離職期間が空いてしまいます。その場合、転職先に悪影響な印象を与えてしまう可能性も。転職活動はスタートダッシュが非常に重要です。後々後悔しないためにも、できれば在職中から転職活動を始めることをおすすめします。


2. 退職の意志を伝えて退職交渉をする

転職活動の大まかな予定を決めたあとは、直属の上司に退職の意志を伝えて退職交渉をしましょう。しっかりと上司にアポイントをとって、2人で話せる場所をあらかじめ抑えておきます。上記でもお伝えしましたが、退職の旨を伝えるときは直属の上司に伝えることが重要です。いきなり部長や役員など、偉い立場の人に言っても聞いてくれないことも。また一度退職の意志を伝えた場合、もう後戻りはできないと覚悟しておくことも重要です。


引き止めに対するうまい言い訳を考えておく

上司に退職交渉する際に重要になるのが、退職意志をはっきりとさせること。あやふやな態度をとってしまえば、上司にうまく言いくるめられて引き止められるでしょう。そうならないためにも、うまい言い訳を考えておくことも重要な要素のひとつ。そこでおさえておきたいポイントとして、相手にやむを得ないと思わせることが挙げられます。事業内容もしくは会社の規模を理由にすれば、会社側としても納得せざるを得ません。それだけでなく、引っ越しや結婚、育児といった理由も退職を認められやすい理由のひとつ。うまく上司に説得されそうになっても、こうした理由をしっかりと伝えれば状況が変わるかもしれませんよ。


3. 退職願・退職届を提出する

上司との退職交渉が終わったあとは、退職願もしくは退職届を提出しましょう。自分で退職を申し出た自己都合の場合、「退職願」を提出すれば問題はありません。その後退職が決まれば、改めて「退職届」を提出することになります。会社によって書類や提出先はそれぞれ異なるので、提出する際はしっかり上司に確認しておきましょう。ちなみに、「辞表」は役職のある人が役職を辞めるときに使用されるものなので注意してくださいね。


手書きで書く&ビジネスマナーを守った体裁にする

退職願もしくは退職届を書く際に重要視しておきたいのが「書き方」。黒色の万年筆もしくはボールペンでの手書きが一般的です。また書くときには、ビジネスマナーにもしっかりと注意しておきたいところ。「年号は西暦ではなく元号」「退職願の日付に関しては提出する日を記載」「退職理由は一身上の都合が一般的」「社長の名前は自分の名前よりも上の位置に記載」といった書き方をしっかり守った上で書くようにしましょう。ちなみに退職届を書くのは、基本的には退職日が決まってからになります。ドラマでよく見られるような、いきなり上司に退職届を出すようなことはやめましょう。


4. 仕事の引き継ぎ&関係先へのあいさつ回り

退職願を書き、退職届を提出したら、仕事の引き継ぎもしくは関係先へのあいさつ回りをしましょう。引き継ぎも立派な仕事のひとつです。いい加減にやってしまえば、後任の人はもちろんのこと会社全体にも大きな迷惑がかかってしまうことも。引き継ぎをするときは、引き継ぎノートを作るなどしっかりと責任を持って対応しましょう。それだけでなく、これまでお世話になった人へのあいさつも忘れてはいけません。これまでの感謝をしっかりと伝えましょう。


できれば対面でご挨拶に伺う

関係先へあいさつする場合、なるべく対面で伺うことをおすすめします。今までお世話になったのであれば、しっかりとお会いして思いを直接述べましょう。もし電話やメールなどで済ませてしまった場合、礼儀がないと相手に判断されてしまい、会社の信用まで落としてしまう可能性もゼロではありません。それだけでなく、前の会社の評判が転職先の会社に伝わることもあります。そうなると、せっかく転職したにも関わらずマイナスからのスタートになってしまうことも。円満に退社するためにも、お世話になった人へは直接会って感謝を伝えるようにしましょう。


退職までの道筋を着けてスケジュールを組むことが大切です。

ここまで、退職を決断してからすべきことや心がけること、さらには退職までの具体的な流れについてご紹介しました。まずは本当に退職したいのか自分自身に問いかけてみてください。それでも意志が揺るがないのであれば、しっかりとした準備をして退職の意志を伝えましょう。仕事を辞める際に重要なのは、退職までの道筋を綿密に立てること。退職までの予定が曖昧になれば、転職活動や引き継ぎもうまくいかなくなってしまうことも。しっかりとした道筋を立てて、退職への一歩を踏み出しましょう。

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