ディストピア小説のおすすめ一覧集|読みやすい人気作品を徹底ガイド
そもそも「ディストピア小説」とは?
ディストピアはユートピア(理想郷)の対義語で、反理想的な世界のこと。そうした世界を舞台にした小説を、ディストピア小説と呼びます。
自由の制限、独裁者の支配、人間の暴力性などをテーマに扱うことが多く、そこで描かれるのは近未来に実現するかもしれない悪夢のような世界。
今後の世界について考えさせられる小説が好みな方は、ディストピア小説もきっと楽しめるでしょう。
ディストピア小説のおすすめ20選|新作から名著まで人気の作品を紹介
ディストピア小説は国内外で多くの作品があり、どれを読めばいいか迷ってしまいますよね。
ここからは、おすすめなディストピア小説を20選ご紹介します。新作から名著まで人気のある小説ばかりなので、ぜひ選書の参考にしてください。
ディストピア小説のおすすめ1. 一九八四年
- 世界的に有名な傑作。ディストピア小説が好きな人はもちろん全ての読書好き必読の一冊
- 設定が細かいので世界観がリアル。ストーリーに没入してしまうほど面白い
- 過度な管理社会がテーマ。徹底した支配に、読んでいてぞっとしてしまう
『一九八四年』は世界的なベストセラーとなり、多くの著名人に読まれている名作中の名作です。舞台は一党独裁制が敷かれた架空の国。主人公は模範的な市民として生活していましたが、とある美女との出会いをきっかけに反対勢力に惹かれるようになります。
圧倒的な支配者「ビッグ・ブラザー」、洗脳と監視用の機器「テレスクリーン」、極端に単純化された言語の「ニュースピーク」など、独自の用語を多く取り入れているのも面白いポイント。500ページほどある分厚い本なので読み応えも抜群です。
緻密な設定が見事な完成度の高い小説なので、難解でも深みのある物語が好みな方はぜひ選んでみてください。
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- テーマ:管理社会系・情報統制系
- 著者:ジョージ・オーウェル
- 発行日:2009/7/18
ディストピア小説のおすすめ2. ロボット
- ロボットもの小説の記念碑的傑作。人工知能に興味がある人におすすめ
- 重いテーマだがストーリー自体は短い。読書の時間を取りにくい人にイチオシ
- 戯曲形式なので、小説をたくさん読んできた人でも新鮮な気持ちで読める
チェコの作家カレル・チャペックによる『ロボット』は、1920年発刊の戯曲。ロボットという単語が初めて登場した作品としても有名です。
人間にそっくりな高性能ロボットが働く世界では、人間は労働から解放されて幸福に暮らしています。しかしある時、ロボットたちが反乱を起こし人類抹殺を開始。
100年近く読み継がれてきた有名作品なだけあり、スピーディーな展開と風刺に満ちた視点が抜群に面白いと評価されています。
「ハズレのないロボットものが読みたい」という方には、長年多くの人に愛読されてきた本書がおすすめです。
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- テーマ:階級社会系、AI系
- 著者:カレル・チャペック
- 発行日:2003/3/14
ディストピア小説のおすすめ3. ザ・ロード
- ポストアポカリプス系の名作。終末ものの作品に興味がある人におすすめ
- 主人公は父親とその子供なので、家族小説として読んでも面白い
- 会話の端々に親子愛を感じられ、心を揺さぶられる
『ザ・ロード』は現代アメリカ文学の巨匠コーマック・マッカーシーによるポストアポカリプス系小説の傑作です。
核戦争後の荒れ果てた終末世界に生きる父子が主人公。太陽の光が届かず植物も育たない陰鬱な情景と、お互いをいたわり合う美しい親子愛が対比的に描かれています。
極限な状況に追い込まれても、救いがないのがかえってリアルです。美しくも悲しいラストには、思わず涙してしまうでしょう。
心打たれるようなディストピア小説を探しているなら、過酷な環境に生きる親子の絆が感動的な本作を手に取ってみてください。
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- テーマ:ポストアポカリプス系
- 著者:コーマック・マッカーシー
- 発行日:2010/5/30
ディストピア小説のおすすめ4. 白の闇
- 人類が視覚を失った世界が舞台。現実にはありえない設定に想像力が掻き立てられる
- 人間のネガティブな面が描かれているため、ダークな小説を好む方にイチオシ
- 映画化もされているので、映画でストーリーを掴んでから読むのもGOOD
ポルトガルの作家ジョゼ・サラマーゴによる『白の闇』は、伝染する謎の失明病でパンデミックに陥った世界を舞台とした作品です。
街の人が次々と失明していく中、たった一人だけ失明を免れた女性が主人公。人から見られていない状況下で人間はどう行動するのか?を非常にリアルに描いています。
1995年出版の作品ですが、古さを感じさせず、現代でも多くの人に読まれ続けているディストピア小説です。
パニック小説やパニック映画を普段から好む方にはぜひ手に取ってもらいたい、パンデミック系のおすすめ作品です。
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- テーマ:パンデミック系
- 著者:ジョゼ・サラマーゴ
- 発行日:2020/3/5
ディストピア小説のおすすめ5. ニューロマンサー
- エンタメ色の強い世界観は癖になり、夢中になって読み進めてしまう
- 多くのSF作品に影響を与えた名著なので、SF好きには外せない一冊
- スピード感のある展開なので、さくさく読みやすい
『ニューロマンサー』はディストピア要素もありつつ、サイバーパンク系のSF小説としても有名な作品です。
主人公のケイスは電脳回線を駆使して企業の秘密を盗むハッカー。仕事の失敗が原因で電脳回線を飛び回る能力を奪われた彼は、能力再生と引き換えにとんでもない仕事を引き受けることに。
魅力的なキャラクター描写やスピーディーな展開が特徴で、物語の世界にぐいぐい引き込まれていきますよ。
高度なネットワーク技術やIT技術に関心がある方にうってつけな、仮想現実を舞台にしたディストピア小説です。
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- テーマ:仮想現実系
- 著者:ウィリアム・ギブスン
- 発行日:1986/7/1
ディストピア小説のおすすめ6. 死のロングウォーク
- 少年たちの心理描写が瑞々しい。若い読者でも共感しやすい内容
- デスゲーム系の金字塔的作品。王道ともいえるストーリーで読みやすい
- 100人のうち生き残れるのは1人だけ。スリルある展開に夢中になる
スティーヴン・キングによる『死のロングウォーク』は、少年たちの生き残りをかけたデスゲーム系の名作です。
100人の少年が参加する「ロングウォーク」は、スタート地点からひたすら歩くだけのシンプルな競技。しかし、違反者は兵士によって射殺され、生き残りが1人になるまで続けられるという悪夢のようなルールが存在します。
極限状態に追い込まれた少年たちの苦闘と、傍観する大人たちのギャップに恐ろしさを覚えますよ。
物語の設定自体はいたってシンプルなので、「緻密な設定の難しいディストピア小説は苦手」という方でも読みやすいと感じるでしょう。
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- テーマ:デスゲーム系
- 著者:スティーヴン・キング
- 発行日:1989/7/1
ディストピア小説のおすすめ7. ハーモニー
- 行きすぎた医療管理社会が舞台。本当の優しさとは何か?を考えさせられる
- アニメ化・コミカライズもされているため、内容を比べるのも楽しい
- 感情の描写が丁寧なので、感情移入しやすい
日本人SF作家伊藤計劃による『ハーモニー』は、近未来の日本を舞台としたディストピア小説です。
健康と平和が何よりも重視され、体に埋め込んだ医療分子で健康状態を監視される人々。病気を駆逐した社会は一見ユートピアのようですが、主人公の少女たちはそんな「見せかけの優しい社会」に疑問を抱きます。
管理社会系にありがちな暴力的なシーンは少なく、かりそめの優しさに覆われた不穏な世界観が印象的。丁寧な文章で読みやすいのも魅力です。
医療技術の発展や福祉に関心のある方には、国家によって健康管理される世界が描かれた本書をおすすめします。
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- テーマ:管理社会系、医療社会系
- 著者:伊藤計劃
- 発行日:2014/8/8
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ディストピア小説のおすすめ8. 密やかな結晶
- 記憶がテーマなので、誰にでも親しみやすく読みやすい物語
- 日常を丁寧に描き出しているため、読後は今ある生活をもっと大事にしたいと思える
- 静謐で美しい文章なので、純文学好きにも人気のある一冊
人気作家小川洋子による『密やかな結晶』は、記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島を舞台にしたディストピア小説です。
身近なものが一つずつ消滅していくにつれ、人々の心は衰弱していく一方。「このままでは世界がなくなってしまうのでは?」と不安を抱えながら、ページをめくる手が止まりません。
途中では小説家である主人公が執筆した作中作が挿入され、読み応えは抜群。小川洋子らしい美しく危険な世界観も見どころです。
女性的で美しい文章が好みな方は、静かに破滅に向かう日々のようすを丁寧に描いた本作を選んでみてください。
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- テーマ:管理社会系
- 著者:小川洋子
- 発行日:2020/12/15
ディストピア小説のおすすめ9. 華氏451度
- 定評のある名作なので、良書を厳選して読みたい人におすすめ
- 本の存在がタブーとされた世界。現実ではありえない設定にワクワクする
- 本の価値を改めて問う作品。現実世界に対する風刺が効いていて面白い
レイ・ブラッドベリによる『華氏451度』は、本の存在がタブーとなった世界を描いた言論統制系のディストピア小説。
本を所持することは許されず、見つかれば速やかに「昇火士」によって焼却処分される世界。昇火士である主人公はある時一人の少女と出会い、その出会いが彼の人生を大きく変えていきます。
現実世界を鋭く風刺した本作は、活字離れが進む現代にこそ読みたい名作だと言えるでしょう。
本の存在を認めない現実離れした設定は想像力が掻き立てられるため、普段から本に慣れ親しんでいる人はきっと興味深く読めますよ。
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- テーマ:言論統制系、情報統制系
- 著者:レイ・ブラッドベリ
- 発行日:2014/4/24
ディストピア小説のおすすめ10. すばらしい新世界
- 完璧なカースト制度によって成立した平和な世界の物語。読後には幸福とは何か?を考えさせられる
- 明快で分かりやすいストーリーだから、読書初心者でも読みやすい
- ユーモアのある表現が多く、読んでいて面白い
オルダス・ハクスリーによる『すばらしい新世界』は、近未来の世界、暴力に疲弊した人類がたどり着いた「ユートピア」を描いた作品。
どんな問題も起こらない清潔で文明的な社会のなか、完璧なカースト制度で管理・区別される人々。思考を放棄して効率化だけを求めた先には、意外な結末が待ち受けます。
ディストピアをユートピアとして描いているので、人類が理想とする本当の「すばらしい新世界」はどのような姿なのか、改めて考えてみたくなりますよ。
ディストピア小説の定番とも言えるテーマを多く盛り込んでいるので、初めてのディストピア小説として最適な一冊です。
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- テーマ:階級社会系
- 著者:オルダス・ハクスリー
- 発行日:2017/1/7
ディストピア小説のおすすめ11. わたしを離さないで
- 教育や医療に関するシーンが多く、誰でもなじみやすい舞台設定
- 主人公の心情が精緻に描かれるため、感情移入しやすい
- ミステリー要素もあるので、展開を予想しながら読書を楽しめる
ノーベル賞受賞作家のカズオ・イシグロによる『わたしを離さないで』は、泣けるディストピア小説として人気の作品。主人公は「介護人」として働き「提供者」の世話をしています。幼少期の回想シーンを織り交ぜながら、徐々に残酷な世界の全貌が分かっていく展開が秀逸です。
設定の多くを語らないのでミステリー的な要素もあり、続きが気になって夢中で読んでしまいますよ。介護人・提供者の意味が明かされる時、主人公たちの悲しい運命に涙がこぼれるでしょう。
別れやすれ違いを描いた切ないシーンも多くあるため、泣ける小説を好んで読む人にうってつけなディストピア小説です。
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- テーマ:医療社会系
- 著者:カズオ・イシグロ
- 発行日:2008/8/22
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ディストピア小説のおすすめ12. 侍女の物語
- 抑圧された女性が主人公なので、特に女性は共感しやすい
- 静謐で美しい文体で書かれているため、上質な小説を読みたい人にもおすすめ
- ドラマ化もされているため、原作と見比べてみるのも面白い
マーガレット・アトウッドによる『侍女の物語』は、ドラマ化もされた管理社会系のディストピア小説です。主人公は権力者の子どもを産むためだけの存在「侍女」の階級に定められた女性。侍女に自由はなく、勉強することを禁じられ、化粧も禁止されています。
男尊女卑を思わせる世界観は、現実世界の過去・現在・未来と決して無関係と言い切れないでしょう。「この先どうなってしまうの?」と不安に感じながらも、続きが気になってしまいますよ。
性別や階級による差別をテーマに置いた本書は、普段から社会問題に関心がある人であれば興味深く読めるでしょう。
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- テーマ:管理社会系、ジェンダー系
- 著者:マーガレット・アトウッド
- 発行日:2001/10/24
ディストピア小説のおすすめ13. 審判
- 理由も告げられず裁判にかけられる男の話。不安や絶望感を味わえる
- 主人公はごく平凡のサラリーマンだから、多くの人が共感しやすい
- 多くの人に読まれてきた名著なので、本好きなら一度は読んでおきたい
20世紀文学を代表する作家の一人、フランツ・カフカによる『審判は』、カフカの得意とする不条理な設定を存分に楽しめるベストセラー小説。
主人公のKはある日突然、理由も分からないまま裁判を起こされます。理由を知るため、裁判を回避するためにあらゆる手を尽くしますが、その努力もむなしく着々と進んでいく裁判。
淡々と希望を奪われていく展開は冷たく残酷で、じわじわと不安や絶望を感じられるでしょう。
主人公がどうしようもない窮地に追い込まれていくストーリーなので、不安要素の強いハラハラする小説が好きな人におすすめです。
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- テーマ:管理社会系
- 著者:フランツ・カフカ
- 発行日:1966/5/16
ディストピア小説のおすすめ14. 蠅の王
- ノーベル賞受賞作家による名著。上質なディストピア小説を求める方に最適
- 無人島が舞台なので、サバイバル要素もあり楽しく読める
- 人間がダークな一面を巧みに描いた作品。人間の本質についてじっくり考えたくなる
『蠅の王』はノーベル賞受賞作家ウィリアム・ゴールディングによる1954年出版の名作。無人島に置き去りにされた少年たちが主人公です。
少年たちはリーダーを立てて規則を作り、救助を待つことに。しかし、協力し合っていた少年たちも無人島生活が長引くにつれ、緊張感が高まり軋轢が生まれます。
中盤以降は悪夢のような展開の連続。無垢な子どもを通じて人間の暴力性や残酷さを描くことで、人間の恐ろしさが際立った小説です。
冒険心と恐怖心を同時にくすぐられるディストピア小説なので、とびきりハラハラする小説をお探しの方におすすめ。
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- テーマ:ポストアポカリプス系
- 著者:ウィリアム・ゴールディング
- 発行日:2017/4/20
ディストピア小説のおすすめ15. R帝国
- 史実と繋がりをもたせたストーリーなので、リアリティがあって面白い
- エンタメ性が高いから、ストーリーに入っていきやすい
- 行きすぎた全体主義を描いた作品。怖いもの見たさでどんどん読み進めたくなる
人気作家、中村文則による『R帝国』は、近未来の架空の国を舞台にした管理社会系のディストピア小説です。
全国民がAIに監視されて生活しており、国家のトップ機関である党に厳格に管理されている世界。隣国との戦争が開始されると、党は様々なプロパガンダで国民を洗脳し、人間の多様性や自由を奪っていきます。
第二次世界大戦などの史実と絡めたストーリー展開が秀逸で、架空の国が舞台なのに妙にリアルなのが魅力です。
現代だからこそ生まれたAIを用いた管理社会系のディストピア小説なので、歴史のある名著ではとっつきにくいと感じていた人におすすめ。
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- テーマ:管理社会系
- 著者:中村 文則
- 発行日:2020/5/21
ディストピア小説のおすすめ16. アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
- 映画『ブレードランナー』の原作。映画を観てから読むのもおすすめ
- 登場人物たちが魅力的に描かれているから面白い
- 人間そっくりのAIが登場。読後には、人間とは何か?をじっくり考えたくなる
フィリップ・K・ディックによる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、第三次世界大戦後の近未来を舞台にした小説。
地球の多くは放射線灰に汚染され、動植物はほとんど育ちません。主人公は希少な本物の羊を飼うために、多額の懸賞金がかけられたアンドロイドを狩る仕事を引き受けます。
自立した思考を持つ人間そっくりのアンドロイドが多く登場し、読後は「人間とは何か?」とじっくり考えたくなるでしょう。
ディストピア小説としてだけでなくSF小説としても人気の高い本書は、SF好きなら一度は読んでおきたい一冊です。
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- テーマ:階級社会系、AI系
- 著者:フィリップ・K・ディック
- 発行日:1977/3/1
ディストピア小説のおすすめ17. 消滅世界
- 夫婦関係や男女関係という身近なテーマなので、誰でも興味を持って読める
- 親子、夫婦の在り方を覆す大胆な設定。他にはない衝撃的な作品を求めている方にイチオシ
- 日本が舞台だから、海外小説が苦手な人でも読みやすい
芥川賞作家の村田沙耶香による『消滅世界』は、新たな夫婦関係・男女関係がテーマのディストピア小説。人工授精で子どもを産むことが定着した世界では、男性も人工子宮を装着して出産し、大人は全員お母さんと呼ばれます。
性別による役割が消滅した実験都市・楽園での日常をどう思うかは意見が分かれるでしょう。現実世界とは異なる価値観の世界を覗けるため、読後には当たり前に思っていた日常を振り返ってみたくなりますよ。
「母親や父親はこうするべき」という常識に疑問を持ったことがある方は、きっと本書を興味深く読めるでしょう。
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- テーマ:管理社会系
- 著者:村田沙耶香
- 発行日:2018/7/5
ディストピア小説のおすすめ18. パワー
- 男女の力が逆転した世界なので、女性差別にピンとこない男性におすすめ
- サスペンス要素もあり、続きが気になってストーリーに没入できる
- 現代が舞台なので、読書初心者でも読みやすい
イギリスの作家ナオミ・オルダーマンによる『パワー』は、ジェンダーをテーマにしたディストピア小説です。ある日を境に、世界中の女性たちは強力な電流を放つ力を得ます。女性が物理的な力で男性を圧倒しはじめ、社会は次第に女性優位な形に。
女性の反逆というキーワードでジェンダー問題に切り込んだ、風刺が効いた作品だと言えるでしょう。物語の展開がリアルなので納得感があり、完成度の高い現代ディストピア小説として人気を集めています。
ベストセラー小説や名作は読み飽きてしまった方には、現代的な社会問題であるジェンダーをテーマにした『パワー』がおすすめです。
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- テーマ:管理社会系、ジェンダー系
- 著者:ナオミ・オルダーマン
- 発行日:2018/10/23
ディストピア小説のおすすめ19. ボラード病
- 社会派のディストピア小説。考えさせられる小説が好きな人におすすめ
- 淡々とした描写なので、じわじわと迫りくるような不安感を味わえる
- 比較的短いストーリーなので、さくっと読み切れる
吉村萬壱作の『ボラード病』は、大災害からの復興を目指す都市を舞台とした小説。
少女の目を通して物語が進み、どこか歪んだ「当たり前」の日常が淡々とつづられています。次々と死んでいくクラスメイト、失踪した教師、違和感だらけの社会。全編に不穏な雰囲気が漂い、静かだけれど強烈な不安や恐怖を味わえます。
行きすぎた同調圧力や相互監視社会はリアリティがあり、「近い将来、本当に起こるかも」と感じる方も多いはず。
「当たり前とは何か?」を読者に問いかけてくる物語なので、読後じっくり考えさせられるような重い小説が好きな人におすすめです。
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- テーマ:管理社会系
- 著者:吉村萬壱
- 発行日:2017/2/10
ディストピア小説のおすすめ20. 図書館戦争
- 軽快な文章で紡がれているため、ライトノベルのようにさくっと読める
- 全六巻のシリーズものなので、読み応え抜群
- 恋愛要素も盛り込んだ作品なので、恋愛小説好きにもおすすめ
有川浩による『図書館戦争』は、表現の自由を奪われた世界を描いたディストピア小説。
社会的に不適切な表現を取り締まる法律が制定され、本には厳しい校閲がかけられることに。表現の自由を守るべく、本を守る組織図書隊が立ち上がります。
ディストピア小説としては珍しく恋愛要素が強い作品で、キュンとするストーリーが好きな人にはたまりません。また、登場人物たちのかけ合いが面白いので、テンポよく読めるのも人気の理由です。
言論統制モノが好きな人はもちろん、読書初心者やラブロマンス好きな人にとっても読みやすいのでおすすめ。
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- テーマ:言論統制系
- 著者:有川 浩
- 発行日:2011/4/23
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気になるジャンルのディストピア小説を見つけてみて。
ディストピア小説は現実世界への皮肉や風刺をこめた作品が多く、そのテーマは多岐にわたります。「現実とはかけ離れた世界の物語なのに、他人事とは思えない」という感想を抱くことも少なくありません。そのため、多くの読者の心を掴んで離さない名著と言われる作品も豊富ですよ。
ぜひお気に入りの一冊を見つけて、ディストピア小説の世界に浸ってみてくださいね。
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